YMO テクノデリック

 「BGM」に続けて出された、中期YMOの「芸風濃い」アルバムです。初めてタイトルに「テクノ」が付いたのですが、半分以上はサンプリング音で、ドラム缶を叩いた音や、工場の音などが使われています。でも紛れもなくYMOの音楽で、シンセサイザーさえ使えばテクノだ、という概念を見事に覆したと同時に、3人の音楽性の高さ(どんな楽器でもクオリティーを保っている) を証明しています。

 また「新舞踊」では、本人たちによる「ケチャック」が披露されています。基本的にYMOのボーカルは、高橋幸宏で、三人そろって歌っても高橋氏の声が勝って聞こえるのですが、このケチャックは、坂本龍一の声がメインに聞こえます。

 最後の2曲「プロローグ」「エピローグ」はそれぞれ違う種類の工場の音のサンプリング音でリズムが構成されていて、前者は3拍子、後者は4拍子なのが、ある種強引につながって、ひとつの流れになっています。「エピローグ」では、「プロローグ」の3拍子のリズムを残しながら、4拍子のリズムが重ねられていて、しかもそのずれが、いい感じに仕上がっているあたりが、まさにマジックです。ちなみに、ウインターライヴには、金沢に聞きにいったのですが、この工場音の迫力・重量感は半端でなかったです。多分相当高級なオーディオシステムを使わないと再現できないのでしょう。単にボリュームを上げただけでは分かりません。

 この「ウインターライヴ」は、DVDでぜひ映像を見ていただきたいライヴです。
 「BGM」「テクノデリック」中心の選曲で、「ライディーン」「テクノポリス」は(DVDには収録されていませんが)最後のほうで申し訳程度に演奏していました(でも凄かった)。「テクノポリス」では、坂本龍一が、ハンドスピーカーで、「トキオ」ではなく「トウキョウ」と発音していたのですが、金沢ライブでは、途中から「TECHNOPOLIS! カナザワ!」というファンサービスもみせ、大盛り上がりでした。じかに見れたのをとても幸せに思っています。